凍てつく寒さに月光遥か(過去記事)。もし,アポロ計画以来遠ざかっている月に,再び人が行くことがあるとしたら,それは宇宙船などの製造に使う,チタンを求めてとなるだろうと云われている。月の主要鉱物であるイルメナイトには,チタンが豊富に含まれている。
8日,パワーブックG4 チタニウムの店頭展示が始まり,3店舗で確認された。熱い視線を浴びている。だが安定供給はまだ望めず,初回出荷分は少ない。
10日,秋葉原のT-ZONEに寄り道してみると,デモ展示が2台あった。まだお昼時だったのだが,数人の人が集まっている。日本国内の店頭出荷は100台しかないとも伝えられ(アップルルームの記事),米国ではDVDプレイヤー部分の検査でアラスカ税関で足止めを食っているとのこと(MacWIRE ONLINEの記事)。予約して待っている人は気のやむところだろうが,実際に見てみると,やっぱり存在感がある。周りのiMacやiBookと比べると飾りのない,けれん味のない感じだが,(かえってその差異のせいかもしれないが)存在感は特筆に値する。
アップルは今,ノートブックのコードネームに,NASAの宇宙開発プロジェクトの名前を使っている。今回のパワーブックG4は,1950年代のプロジェクト「マーキュリー」だ。そして次に控えるのがG4プロセッサーを2つ積んだ「ジェミニ」。そこまではアップルのロードマップにあるが,その先は明確ではない。だが,NASAの宇宙開発で,ジェミニの次にやって来たのが,あの,アポロだ。月の上に人間を送る,今考えても,途方もない施策だが,それは多くの困難とともに実を結んだ。マーキュリーたるパワーブック チタンには,月の香りがする。人は将来,チタンを求めて,月へと立ち戻る。そんな,月への思索が,このチタンから始まる。
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